真理子は毎週母親の持ってくるお菓子を楽しみに sio
| うちの娘、真理子は中学3年生で自閉症で静療院という病院にいます。 真理子は毎週金曜日、母親の持ってくるお菓子を楽しみにしております。 真理子は、安定した状態と不安定な状態を周期的に繰り返し、 自分の意図していることが相手に理解されないときなどに、 パニックとか自傷を引き起こす様に思われます。 母親は、これからの事など悩みも多く、心配はいつまでも尽きない のですが、私はなるようにしかならないと開き直って日々を暮らしています。 sinさんは御自身がアスペルガー症候群という広義の自閉症だと言う ことですが、脳の障害を障害として自覚出来るものでしょうか。 小学校時代から人と協調できず淋しい思いをしたそうですが、 淋しく思うというのは、普通の感情だと思います。 大人になっても、人とのコミュニケーションがうまくいかない そうですが、趣味の異なる人間と話を合わせている人間の方が 無理をしているのではないでしょうか。 ドナ・ウィリアムズの『自閉症だったわたしへ』は、私も読み、 いくらか理解を深める事が出来ました。 自分で「障害」を確信し、同時に気に入っているのでしたら、 他人を気にする必要は無いと言う事ですね。 |
アスペルガー症候群ということ Mon, 10 Feb 1997 sin
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アスペルガー症候群ということを知るまでは、「障害」とは自覚してませんでした。
ただ普通の人よりとても不器用なだけという認識でした。
でも私のようなアスペルガー症候群くらいで「障害者」であると言い切る
のは無理があるとも思っています。ただ、私の場合は幸い生活に困らない
くらいの環境に恵まれていて、インターネット上で「カミングアウト」 ＊coming out デヴュー、初めて社交界に出ること **できるくらいの余裕があるわけですが、深刻な問題を抱えている アスペルガー症候群の人たちはとても多いと思います。そういった人たち のために自分が何か役に立てないだろうかと思っています。 （逆に、何か人にはできないようなことをして成功して有名になっている ような人にもアスペルガー症候群の人は多いように思っています。） 私も自分が極めて普通の喜怒哀楽の感情を持っていると思っています。 人と話を合わせたりする、ということがほとんど不可能、あるいは ものすごく下手、ということが普通の人との違いかなと思います。 今まで「おたく」という流行語がありましたが、「おたく」と 言われていた人たちの中には実はアスペルガー症候群の人もだいぶ 含まれていると私はみています。 ドナ・ウィリアムズの『心という名の贈りもの』のほうは、お読みでしょうか。 この本では、アスペルガー症候群の人たちとの出会いなども書かれています。 自閉症の子供たちとのふれあいについても書かれています。 他の人とは違っている自分を積極的に認めることにした、という意味です。 画家の山下清は自閉症だったと考えられていますが、彼のような 自由な生き方でいいではないか、というふうに思ったのです。 |
アスペルガータイプとは高機能自閉症で sio
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・「知的障害」とは、 精神薄弱、知恵遅れ、精神遅滞などと呼ばれていた障害を 言い換えたものである。 ・アスペルガータイプとは高機能自閉症で、精神障害に分類される。 カナータイプで知的障害を併せ持っている場合を低機能自閉症と呼ぶ、 というのが私の認識なのですが、・・・ 不器用な感じとか、人と話を合わせることが苦手とか、 おたくっぽいとか、他の人とは違っているとかいうことは、 人の個性の範囲内のことなのか、範囲外のことなのか、 という境界が何処に在るのかという問題のような気がします。 うちの真理子の事ですが、 生まれた時から、少し変だなとは、感じてはいましたが、 子供には、というか人には皆個性があり、 進歩の早い子も居れば、そうでない子も居る、 そんな風に理解していました。 でも、真理子の場合は、境界線は大きく障害の方へ片寄っていた わけですが・・・ sinさんの御両親はどのように感じておられたのでしょうか？ ドナ・ウィリアムズの『心という名の贈りもの』は、 近く買って読もうと思っています。 |
RE:人の個性の境界線 Tue, 11 Feb 1997 sin
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境界を引くことはできないと思います。
まったくノーマルから重い自閉症までは連続的に連なっているのだ
と思います。
ちょうど知能の高い低いというのも人によっていろいろであるように。
それらの組み合わせもさまざまだと思います。
そして人間の脳はそんな一つや二つのものさしで計れるものではありません。
それらすべてを「個性」として認めてはどうかと私は思っています。 私の場合、知能の面においては、たぶん人並みくらいの能力に恵まれている と思います。 ドナ・ウィリアムズは、たぶん私よりずっと頭が良くて、なおかつ 自閉症の度合いも私より強いように思います。 ただ彼女の場合は育った環境の貧しさやアレルギー性疾病なども、 自閉症的症状を顕著にする要因になっているのかもしれません。 とても魅力的な人物だと思います。とても会ってみたい人の一人です。 ある専門分野でたいへん成功している、米国の女性が書いた 『我、自閉症に生まれて』（テンプル・グランディン著、学習研究社） という本を最近読んでとても参考になったのですが、彼女の子供時代が 私とそっくりなのにびっくりしました。 自分が子供のときなんであんなおかしなことをしてしまったのだろう という謎がこの本を読んでよくわかりました。 自閉症の重さというところで彼女と私はかなり近いかもしれません。 ただ、この本で私が気になるのは、本の帯にある 「自閉症者本人が書いた世界で初めての本」という謳い文句です。 ここには「自閉症者には本なんて書けるわけがない」というような 偏見が感じられます。 「自閉症者本人が自閉症について書いた…」という意味で書かれている のかもしれませんが、これを読む人の偏見を増長するように思います。 というのは、彼女くらいの比較的軽い自閉症で高い知能を持っていれば、 いわゆる「もの書き」になるにはむしろ向いていると思っているからです。 「成功している」という点でいえば、今世界で一番成功していると みられるアスペルガー症候群の人は、ビル・ゲイツ（マイクロソフト会長） だと思います。彼をアスペルガー症候群だというのはとても異論が あると思いますが、彼の振る舞いかたにはアスペルガー症候群と 共通の特徴があります。『ビル・ゲイツ―巨大ソフトウェア帝国を築いた男』 （翔泳社）を読むと、子供時代の記述に、「赤ん坊のときから異常に 活発な子供だった。自分でゆりかごを揺らすことを覚えて、一度やりだすと、 何時間も休みなく揺らし続けた。……現在でも、ゲイツの揺らしぐせは コンピュータ業界の伝説になっている。」とか、小学校時代も「風変わり」 だったことなど書かれています。 彼の場合は知能レベルがずば抜けて高くて、それが自閉症的な面を はるかに凌駕していることと、とても豊かな環境に恵まれて育った ことが大変な成功に結びついているのだろうと思います。 （彼がハンディを持っている「障害者」だとは だれも認められないでしょう。） 私はそんな特別高い知能など持ってなくて、良かったと思っています。 知的にハンディを持った人の気持ちや、もっと重い自閉症を抱えている 人の気持ちも、私にはよくわかるような気がしますので。 映画『学校II』をご覧になりましたでしょうか。 養護学校での自閉症や知恵後れの子供たちを描いた映画です。 映画に出てくる知恵遅れで自閉症の子供にとても感情移入して みてしまいました。 真理子さんの場合、知能の遅れや学習などの面はどのような感じなのでしょうか。 > sinさんの御両親はどのように感じておられたのでしょうか？ とても問題児だったので、まともな社会人になれるか心配していたようです。 だから私がある大企業に就職したときには安心して喜んだけど、 辞めてしまったときには、また泣かせました。 でも、個性として認めてくれてもいると思います。 なにしろ、親の方も同じ傾向がありますので。 父は、ある専門分野をこだわりをもって追求する というタイプの学者をしてます。 東北大学でインド哲学の教授をしていました。（もう定年退職してますが） 人間関係をつくるのはまるで下手で、大学内では孤立していたようです。 |
個性を認めるということ sio
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あらゆる個性を認めるということは、個性の違いを認め、差を認めたうえで、
多様な個性の存在を認めることだと思います。
多様な個性は、元をただせば、多様な遺伝子ＤＮＡによるものだと思います。
生命体にとって多様な遺伝子ＤＮＡを保有していることが、
生き残りの可能性を高め、種の保存に繋がるのだと思います。
自然の摂理として、同じ重みを持って、多様な個性が必要なのだと思います。 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ 真理子の場合、知能の遅れは大きく、読み書きや計算はできず、 言葉は２語文程度、排泄の自立ができず、着衣を嫌がり、自傷で手足を つねってあざだらけになったり、学校での学習は先生の邪魔をするだけ、 といった状態です。 状態には波があり、安定した状態（機嫌のよい状態）と不安定な状態 （不機嫌の状態）を周期的に繰り返し、自分の意図していることが相手に 理解されないときとか、自分に関心を持ってもらいたいときなどに、 パニックとか自傷を引き起こす様に思われます。 sinさんのＨＰからリンクしている「じゃじゃ丸トンネル迷路」の中に、 自閉症の遺伝子診断も遠い未来のことではない、という話がありました。 薬や手術で病気を無くすことが医学の目標であり、 健常な子供を生める確実な方法があるのであれば、 利用すべきとの議論に対し、 ● 障害は個性であり、疾病と個性の間に境界線は無い ● 親の生む権利や胎児の人権などを無視する優生思想 ● 病気を持つ受精卵や胎児の人権 ● 障害があって何が悪いのか 医者は病原の絶無を目指す。 障害者は自己の否定にも繋がりかねない事態には反対。 親は、 避け得るのなら辛い将来に敢えて立ち向かうことはしない、 あるいは、障害を個性と受け止め共に生きる道を選ぶ。 私は、辛い将来に敢えて立ち向かう程の勇気は、 持ち合わせておりません。 sinさんはどのように、考えられますでしょうか。 人為的な選択の可否を問うものですが、人間とはいえ 自然の一部を為すものであり、人間による選択も、広い意味 での自然選択の一種であると考えることも可能と思います。 その結果が、人類にとってプラスかマイナスか、 誰にも判断出来ないでしょう。 それは、人類が絶滅してしまった時に、解ることです。 多様な遺伝子ＤＮＡの保有、様々な可能性の存在を、 自ら否定した結果が、どうなるかは、誰にもわからない のだと思います。 「精神薄弱」を「知的障害」に言い替え・・ 厚生省 ＩＱ７０以下 文部省 ＩＱ７５以下 法務省 ＩＱ７０未満 ・・・？？？ 言葉遊び、言い換え、言葉狩りでは実態は変わらない・・ 正しく簡潔に表現出来る用語があれば良いのですが、 そういう様々な努力の積み重ね、声を上げ続けていくことは 大切だと思います。 |
Re:自閉症の遺伝子診断 Wed, 05 Mar 1997 sin
| すぐに返事できなくてすみません。考えると悩んでしまいます。 悩める時間があるときに考えをまとめてみたいと思います。 基本的に産むか産まないかは産む人の自由だという考えを私は支持しています。 障害を持った子供は産むなという優生思想にも反対ですし、 逆にどんなに困難でも産むべしという強制にも反対です。 しかし、障害を持った子供を持つことが「辛い将来に敢えて立ち向かう」 というようなことではなくなるように、 世の中に働きかけていきたいということが私の希望なのですが・・・ |